グルグルについて興味を持ち、手始めに何枚かまとめて買ったうちの一枚です。
曲だけでなく、歌詞だけでなく、ジャケットだけでなく。
その全てで「境の朱さの所為なのです。」というひとつの作品を完成させている、
捨てるところの少しもないCDです。




ゲチス・ゲチスト考  

曲じゃないので星は無しで。
山ちゃんによるゲチス・ゲチストについての講義です。
ゲチス宣言・ゲチスト宣言を読み解いたり、そこから発展させて物を考えるときに大いにヒントを与えてくれました。
思案のお供に。



いつか観たあの朝焼けに 作詞作曲・天野鳶丸 ★★★
のんびりしたテンポのゲチス・ゲチスト考から一変。
イントロが劇的です。
「然るに」からの流れがいいですね。
「君」はきっと鳶のお父さんなんでしょう。
なんとなく冷めた風に、ロジカルに考えてきっと自分は割り切れる。
そう思っていたはずなのに。
実際感情はロジックの中に無かった。
頭の良い人でありたかったからこそ、余計に葛藤は大きくなってしまったんじゃないかな。
君の番の来た事でやっと論理と感情の関係性を知った。
歌詞が重いですね。



不安、来た。 作詞作曲・天野鳶丸 ★★★
音源での評価は星二つくらいですけど。
ライブで楽しいので一個おまけです。
旧メンバーのときは見たこと無いので知りませんが、新メンバーは間奏で踊ってくれます。
ココロの不調をおどけた様な調子で歌っていて、その上「よくある事」なんて。
自分に言い聞かせているようにも、他人から無下に扱われているようにも聞こえますが、
きっとその両方なのでしょう。
いや、他人からではなく自分からですね。
「不安、来た。」の声の調子と同じようにだんだんと嵩を増していく不安に怯える自分と、
「若さの所為です。」と言い聞かせてはそれを落ち着かせようとする自分、
その二つを眺めながら「よくある事です。」と呆れ顔の自分。
感情を頭で考えて平静を装うのは、鳶の歌詞には多く見られることです。



りっしんべん 作詞作曲・天野鳶丸 ★★★★★
音の割り振りが物凄く大胆です。
右のスピーカーがやられていたらそれだけでカラオケバージョンになってしまう。
あと、最初の「あぁ」が吐息っぽいのでヘッドホンで聞いているとびっくりします。
ちょっとやらしいです。
歌詞カードの足もやらしいです。
なんだか想像を掻き立てるポーズをとってますよね、あの足。
何してるんでしょうか。ナニしてるんでしょうか。
韻を踏んだテンポの良さが素敵。
合いの手まで韻を踏んでるんですよ。
面白いです。
メロも含めて聞いていると思春期真っ盛りの男子中学生(推定)が可愛くて仕方ありませんが、
サビだけ抜き出して考えてみると、きっと誰もが感じた事のあるだろう劣等感に聞こえます。
私も思ったことがあります。こういう事。
皆主観的にらんちうなんですよね。
私は誰かの主観において和金であったことがあるのかなぁ。
新メンバー版だとドラムソロが激し格好いいです。



こっちのお水の蛍はどうだ 作詞作曲・天野鳶丸 ★★★★★
旧グルグルの良さはメンバーが皆歌うところに有ると思います。
そしてこれはその良さが存分に発揮されている曲です。
最初の山ちゃんと鳶の掛け合いから最後のよっくんも加わってのサビまで。
三人分を余すところ無く。
三人三様に癖があるのが、また面白いんですよね。
鳶のサビの歌い方が可愛くて好きです。
なんとなくシャウトも今より可愛げがあるような。
意識して変えてるだけかもしれませんけど。
ギターの掛け合いやガシャガシャとにぎやかなドラムがお祭りのような雰囲気で。
とぼけた様な唄も含めてかなり「らしい」雰囲気です。



夜の紺碧の所為なのです 作詞作曲・天野鳶丸 ★★★
歌下手だなぁ〜。
分かってはいたんだけどこの曲を聞くと再確認しますね。
まぁ、別にいいですけど。上手さなんて求めてませんし。
山ちゃんの歌声が男前です。
「赤い紙切れ〜」の一節の汚さがいいですね。
パンク風味。
他のところや歌詞とのギャップが面白みがあって。
きっとこの部分も他と同じ雰囲気で歌ってたらどうってことない曲だったと思います。
こういう変な遊び方が魅力なんですよ。



明星讃歌 作詞・天野鳶丸 作曲・吉川昌利 ★★★
最初の「じゃあいくよ〜」が酔っ払いっぽいと思うのは私だけですか。
二番の前の「じゃあ二番は皆でいくよ」は体操のお兄さんっぽいです。
みんなも「は〜い」って返事するし。
素朴な雰囲気に学生服が激マッチ。
演奏レベルも含めて「放課後の教室」感が溢れていて、なんだか懐かしい気分になります。
放課後の教室でギターを鳴らした事はありませんが。
吹奏楽部なのに楽器も出さずに、ピアノを囲んでみんなで歌った中学時代を思い出しますね。
カラオケ気分でした。
あの頃は私も青春してたもんだ。
一番の「おいら」が二番では「おれたち」になるのが素敵です。
嗚呼青春フォーク。



百万回目の夕方に 作詞作曲・天野鳶丸 ★★★★
この曲を聴いてまず思い出すのは、いつかのボトムで勲がずっこけた事です。
あと、そのときの鳶の反応です。
まぁ、そんなことはいい。
左右から語りかけるよっくんの声に、自分が猫になったような気がします。
歌詞の内容は「いつか見たあの朝焼けに」とリンクしていますが、
その温度には大きな差がありますね。
きっと君の番が来る前のことについての回想なんだと思います。
よっくんの声の落ち着いた調子が、まだ論理と感情の関係の理解できない様子を物語っています。
いや、理解できたうえでこうなのかな。
頭でっかちを美徳としているのかもしれない。




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